もっさんのブログ

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「非認知的能力」を子どもたちに 学級通信 その④

前回までの内容・・・

 これまで、ステキな大人になり幸せに暮らすための重要な力として世界的に研究されている「非認知的能力」を紹介しました。この力はテストでは測れない力の一つです。その力のなかでも「自制心(自分をコントロールする力)」の身につけ方について書いてみました。自制心の「行動面」ということで、忘れ物を取り上げ、忘れ物をしてしまう自分の行動の癖を理解し、自分に合った対策を試行錯誤して見付けていくことについて書きました。

「非認知的能力」はどうやってつける?自制心の「感情面」

 

 今回は、自制心の「感情面」について書いてみたいと思います

 (またまた長いので、お付き合いいただける方はよろしくお願いします!)

 怒りを鎮めたり、感情をコントロールしたりすることは、自分のパフォーマンスを上げるだけでなく、周りの人のパフォーマンスも上げることができます。とっても大事なことです

 例えば、「発表会まではとてつもなく練習をしてきて、自信たっぷり。でも本番は緊張でいつもの半分も力が出せなかった…」なんて経験はありませんか?僕は小さい頃からそうで、先生になってからもそうで、例えば懇談会である程度リラックスして話せるようになったのはここ数年のことです(笑)トップアスリートはみなさん、感情面のコントロールを身に付けているようで、だから高いパフォーマンスを発揮できるようです。

 ここでは僕がいいと思って自分を改善し、子どもたちと接するときにも、子どもたちが実践するためにもよく伝えている方法を中心にご紹介してみます。

 

 順天堂大学医学部教授の小林弘幸さんが「自律神経を整える 人生で一番役に立つ言い方」という本を出版しています。この本が僕にはとっても合っていました。題名は「言い方」と言っていますが、それだけにはとどまりません。

 医者の一言は患者の病と闘う気持ちを上げもするし下げもします。心ない言い方で病気が悪化することもあれば、素敵な言い方でどんどん前向きになり病気が治ってしまうこともある。そんなご経験から「言い方」というテクニックだけでなく、よい言い方が考えつき、よい言い方になるための心の状態を整えることの大切さを説いています。「練習は良かったのに発表会では緊張してうまくいかない」ということは、発表のやり方の問題ではなく、そのための心の状態の作り方がポイントですよね。

 小林先生は、自律神経をもとにして話をしています。簡単に言うと、自律神経は、

 

交感神経…活発さ、血管や筋肉が収縮   副交感神経…リラックス、血管と筋肉の弛緩

 

のバランスを整えています。このバランスが整っている状態を作りだすことが大事ということです。どちらかが優位になっているとパフォーマンスが下がってしまう、ということです。

 タクシーの運転手が道を間違え、「すみません、Uターンします」と言ってきたとき。機嫌がよいときは、「あぁ、いいですよ。」と軽く流せるのに、イライラしているときは「ったく、急いでいるのになぁ。」とつい、相手を責めてしまった。例え機嫌がよかったとしても、約束の時間に遅れそうであせっているときや、体調が悪い場合も、ネガティブな言い方になることが多いはず。

 なぜこのような気分や状況にムラが生じるのかというと、実は「期限」「時間的余裕」「体調」などはすべて、自律神経を乱す要因だからです。つまり、様々な要因によって自律神経が乱れると、人はいろいろな言い方をしてしまうのです。…

やっかいなことに、自律神経の乱れは伝染します。自律神経が乱れ、イライラし、よくない言い方が出たとします。するとそれを聞いた相手の自律神経も乱れ、相手もイライラし、よくない言い方で返してきます。すると、またさらに自分の自律神経が乱れて…という悪循環におちいります。

 逆にいえば、自分さえ乱されなければ、相手の自律神経も整えることもできる、ということです。相手がイライラする言い方でも、自分の自律神経を整えることができれば、相手によい言い方で返すことができ、相手の自律神経も整えることができる…僕もできるだけ意識していることです。

 子どもと接するときも同じで、大人の自律神経が整っていると、いい伝え方もでき、子どもたちもいいふうに改善していく・・・ということも起きやすくなります。子どもが見ている身近な大人ということで、僕もできるだけ自律神経の整っている大人でいて、その姿を子どもたちに見せたいと思っています。

 さて、自律神経を整えるための方法は、本の中でも様々に紹介されていますが、すぐにできそうなものが掲載されていたので、アンガーマネジメントと、セカンドステップという攻撃性減退プログラムの方法・方略も含めて、いくつかご紹介します。

●ゆっくりはなす

…ゆっくり話すだけで、落ち着きます。言葉に重みが出て、相手に納得してもらえます。

●6秒数える

…感情が落ち着くまで、まず黙ってこらえてみる、ということです。「すっ」としてきます。

●自分の感情を自覚する

…「今怒っています」「今緊張しています」というだけで、半分くらいは落ち着きます。子どもたちは怒っているとき、自分の状態が見えていないことが多いです。落ち着いているときに、怒っているときに体のどこが熱くなるか話してみてもいいです。

●キーワードを決める

…「イライラ虫が出ている」「ブラック〇〇ちゃんが出てきているよ」などのキーワードで自覚できるときもあります。

●キーアイテム・セーフポイントを作る

…イライラしている時に落ち着くぬいぐるみ。また、「このぬいぐるみを持っているorこの場所にいるときはイライラをこらえているから話しかけないで」という合図を作るということです。

●場所を変える

…イライラしたときには、その原因となる場所から離れることです。

●深呼吸をする(1:2呼吸法)

…深呼吸をすると、交感神経優位の状態から改善されやすくなります。1:2は、例えば呼吸は3秒吸って6秒で吐く、といったことです。

●体のリズムを知る

…朝方や夜型、食前食後、天候など、自分の体に合った集中できるタイミングで物事に取り組むことです。感情がよいタイミングも、これで見つかるときもあります。宿題をやる時間を変えてもいいですね。

 

 今回の話の中では少しずれますが、本の中では「意表をつく」「まず褒める」など、素晴らしい方法も紹介されています。よろしければ一度手に取ってみてください(川本のを貸し出しも可能です)。

 

 いずれも、子どもたちといろいろと試してもらえたら嬉しいです。一番いい方法はなく、その人その人、その子その子によって合うものが異なります。結構頑張って取り組んでいる大人の姿が子どもは好きで、僕も頑張っていると子どもも「頑張ろう」って思ってくれることが、クラスでは多いです。

 以上ですが、前回と同様で、自分の感情を自分でコントロールできるようになることを目指したいです。これも根性ではなく具体的で自分に合った上記の「方略」がカギとなります。

 

…すみません、結局「まとめ」までいきませんでした…。また次回、書いてみたいと思います。

「非認知的能力」を子どもたちに 学級通信 その③

「非認知的能力」はどうやってつける?「自制心」

 

 幼児教育の分野で非認知的能力を身に付けることが注目されているのは、幼児期に最も身に付けやすいといわれているからです。しかし、小学生や中学生、それから大人であっても身に付ける可能性は大いに残されているので、もちろん小学校でも十分に可能です。

 前回は「自制心」についてお伝えしたので、この自制心を身に付けるための方略(スキル、方法)について書いてみます。細かく言うと行動面と感情面があると思いますが、今回は行動面を取り上げてみます。

 例えば、「忘れ物」についてです。

 

 忘れることは、大人だって普通にあります。改善したいですが、それを記憶力だけを頼りにしては、なかなか難しいですよね。注意力を身に付けるために「怒る」という手段もある程度有効ですが、怒る人がいなくなったときに機能しなくなります(でも切実さや本気さを伝える時には必要だと思います!ついついやりすぎてしまうものですが…)。

 一番大事なのは「忘れなかった成功体験をもっている」です。「忘れ物をすることに慣れた自分」になってしまうと、なかなか大きなきっかけがないと戻すことが難しくなります。ですから、小さいときは大人に手伝ってもらうことで、「忘れ物をしない自分」を作ってしまうのが有効です(いつも持ち物のご協力ありがとうございます!)。

 それを踏まえて、次の段階として自分で管理するステップに移行します。その時にできそうな方略をいくつか示してみます。

 

  • 「メモを残す」

 紙に書いたり、フセンに書いて書き記すことです。メモは簡潔で、一目でわかるのがおすすめです。

  • 「目につく場所にメモを置く」

 メモを残しても、見る場所に置かないと意味がありません。「そこに置いて見るかな?」と聞いてみてもいいと思います。学校では、子どもたちの帰宅後の行動パターンを聞いて、一緒に貼る場所を考えていきたいと考えています。

  • 「呼び出し機能を使う」

 すでに私立やアメリカの学校では、Googleカレンダーなどの通知(呼び出し機能)を利用して、子どもたちが自己管理しているようです。物に記憶させるというワザです。大人でも、スマホで予定の呼び出しを使う方がいます。それを、子どもでも覚えさせてしまおう、ということです。

  • 「視覚的に残す」

 メモだけでなく、一目でわかるように写真で残します。

  • 「後回しにせずすぐにやる」

 これは自分の行動パターンを分析してやる対応策ですね。

  • 「人に記憶してもらう」

 自分一人では記憶する自信がないから、「覚えてたら言って」と伝えることです。

 変化があると忘れやすいので、毎日この時間にこれをやると決めておくと忘れにくい、ということです。場所も統一しておくとよいです。子どもたちには、これは結構大事なことのようです。

 大人のみなさんはどうやっていますか?その方法をそのまま子どもにもできないか提案してみてください。そのほうが、良さが伝わるかもしれません。

 いくつか例を示しましたが、どの方法も全て強制されていただけでは自制心は身に付きにくいです(最初のきっかけとしては価値があります)。大事なのは、自分で自分の行動の癖を理解し、自分でそのために対策を講じるということです。これが自制心に繋がっていきます。してもらう対策より、自分でする対策、です。そしてそのために、いろんな対策のアイデアを提示したり一緒に考えたりし、やってみて、失敗し、それは自分に合わないと自覚し、もっと合う形に変えたり、もっと合うアイデアを考えたり…そういうプロセスを経て、自分で自分をコントロールするようになる、ということです。「コーチング」で検索してみてください。

 最初は大人が方略を示したとしても、行く行くは子どもが自分で「これが自分に合う」というのを見つけ、それを自分で実践するようになることを目指していきたいです。何度も失敗しますし、「その方法だと失敗するな」と思うことがあるかもしれませんが、あえて体験もいいのかなと思います。急がば回れ」といいますが、失敗と改善のプロセスが結構大事で、そのほうが子どもの頭にすとんと落ちることが多々あります。

 理想は以上ですが、現実は難しいです。それでも、以上のようなことをできるだけ意識して、子どもたちとの関わり方を工夫するよう心がけています。「うまくいったね!なにがよかったんだと思う?」

「今回はうまくいかなかったかぁ。なんでかな?」「次はどんな方法でやってみようか?」と一緒に考えて、子どもたちのアイデアや選択を大事にし、段々と判断を委ねていくことを目指しています。

 何か少し、文章が偉そうになってきましたが、いろんな本の情報をまとめ、僕の解釈も入れて書いてみました。お付き合いありがとうございました。

 次回は、自制心の「感情面」とともに、ちょっとしたまとめを書いてみます。

「非認知的能力」を子どもたちに 学級通信 その②

「非認知的能力」はどうやってつける?犬からもらうヒント

 

 前回お伝えした、「非認知的能力」をどうやってつけるのか、ということについて書いてみたいと思います。

 一番大事ですべての根本にあるのは「無条件の愛情(つまり、愛情に条件や取引がない、存在しているだけで愛している、ということ)」だそうです。これが足りないと、常に不安定で、その先に何か力を付けようとしても付いていきにくいようです。

 それを大前提として踏まえ、次にできることを考えてみます。

 自制心(自分の感情や行動をコントロールする力)やGRIT(やりとげる力)など、多岐にわたる非認知的能力は、一見「その子が本来持っているもの」「後から身に付けるなんて難しい」と思われがちです。しかし、これには後天的に身に付けることができる方略(スキル・方法)がカギであり、それで伸ばすことができます。ここでは、「自制心」を取り上げてみます。

 例えば、餌を目の前にした犬が「待て!」と言われたときのことです。以前テレビで、「待て!」の力を競う番組があったのですが、ある犬は「プイッ」と別の方を向いてなんとかこらえていました。結局、この犬が優勝しました。

 確かに、本来もっている「根性」のような特性が関係あるかもしれません。しかしそれ以上に「そっぽ向いて餌を見ないようにする」という方略を取ったことが、自制につながったといえると思います。犬でさえ、自分の感情や行動をコントロールするための方略を持っているのです!

 さて、話を人間に戻します(笑)

 ついついやってしまって、やめられないことってありますよね。いい結果にならないとわかっているのにやってしまう…忘れ物、ゲームのやりすぎ、暴飲暴食、夏休みの宿題を前日までためてしまう、アニメや漫画やアメリカのドラマで徹夜をしてしまう、ダイエットは明日から…大人もありますよね。これをコントロールするための方略を身に付けることが大事になってきます。これは人によって合う方法が様々です。ですから、様々な方法を提示して、合うのを見つけるのがよいと思います。保護者の皆様も、きっといろんな方法を取っていますよね。個人的には、ここで大事な方略って、大人も子どももあまり変わらないなぁと思っています。

 書面の都合上、続きはまた次回書いてみたいと思います。お付き合いありがとうございます。

「非認知的能力」を子どもたちに 学級通信 その①

 



「非認知的能力」て?大事なのは「テストで測れない力」だった!

 

 幼児教育の世界ではかなり有名になってきた話です。

 従来は「IQ」という能力が、将来的な年収や社会的な地位に関係があるとされていました。それを実際にとある研究者たちが調査しました。子ども時代に成績の良かった人(≒IQが高い)の将来を追っていった結果…そこに関係性が見られなかったのです。一方で、他の研究では、関係性の深いものが調べられました。すると、結局深い関係があったのは「非認知的能力」だったのです

 「非認知的能力」とは、定義が様々ですが、一言で言うと「テストでは測れない(=非認知)

能力」です

 マシュマロテストが有名です。幼児に、「このマシュマロを食べていいよ。でも少し待ったら2個あげるよ。」と聞いて、食べた子と待てた子の将来をたどって違いがあったというものです。これは「非認知的能力」の中の「自制心」に関わるものです。

 例えば、皆さんの職場で一緒に働いていて「この人と一緒だとやりやすい」「この人がいると結果が出せる」「あの人が上司だったらいいのに」そんな感じの人を思い浮かべてみてください(今働いてない方は、学生時代の仲間はどうですか?)」。そういう人たちって、コミュニケーション力や、やりぬく力や、自制心(自分の欲求や感情をコントロールする力)などが、高かかったりしませんか?


 以下の写真は、僕が自分で使いやすいようにまとめてみたものです。大きく6つにしました。

 

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非認知的能力を分けてみました

 興味がある方はネットで調べてみてください。

 ここでお伝えしたいのは、学校は学習以上に、この非認知的能力を育むのがとても大事で、ここを最大限伸ばしてあげたい、ということです。将来的な年収や社会的地位だけじゃなく、この力がある人って、きっと幸せに(そして周りの人も幸せにして)生きてると思うんです

 じゃあ具体的に何をするの?というところは、また次回書いてみたいと思います

コロナ対策を子どもが考えればいいのに。

もったいないなぁ。


「あれダメこれダメ」って新しい生活様式の禁止事項がめちゃ多い。

すぐ守れなくなるのが明らかな約束だらけ。

(いや、一方的に決めたことを「約束」と言ってはいけないな)


「これはいいのかな?」
って大人がひたすら議論しているけど。

 
そういうことを、子どもが考えることに、大変な価値があるよう思います。

 
・どうやったらみんなで楽しく遊べるか?
・どうやったら給食が安心安全に食べられるか?
・どんな約束なら自分たちも守れそうか

 
このプロセスを刻むこと。
うまくいかなかったらまた話すこと。
大人が全部決めて、
子どもの問題解決能力も、
WINWINの対話的能力も、
民主的な場作りも、
創造的思考力も、
ぜーんぶとてもいい学びの機会(授業よりはるかに学びの質が高い)をドブに捨ててるように思います。
ほんともったいない!!

 

 
ごっこがダメ?

 
じゃあどういう風に遊べば安心安全に遊べるか、子どもたちが話し合えばいいのに。
そうやって、これからの社会を作る子どもたちが育っていくのに。

 

 

 
もいちど言うけど、教科教育やるよりはるかに大事だと思います。

授業参観って、何をどう見るの?

〇〇のリフレクションやら、○○さんの観察視点やら、〇〇主義やらのいろんな見方考え方と、自分の経験をもとにして、現時点での考えをまとめてみました。

******************************

ある授業が学習者に劇的な変化をもたらしたとします。

その変化は教師の意図の有無に無関係に起きます。変化には、その原因たる大切な要素があります。その大切な要素を見つけ、それを参観者が自分の授業でも再現・応用できれば最高である。そんなことを目指して参観してはどうでしょうか、という話です

例えば、授業中に教師が一言も話さず45分間を終えたとします。

でも、その45分間の中で子どもたちの学習はよく進み、様々な望ましい変化が見られたとします。

もし教師と子どもとのやり取りだけを見ていたら、何が起こっていたのかは分かりません。

けれども、学習者の変化が何によって起きたのかを見てみると、例えば学習内容や環境が学習者の学びを促進させるようになっていて、教師の「見守る」スタンスが学習者の学習を加速させているのかもしれません。

いやいや、実は学習者同士の関係性を良好に保ってきたことなのだとすれば、問題は本時ではなく、それまでの関係づくりに力を注いできた賜物なのかもしれません。

はたまた、この学校は特殊で、学習者が他学年の授業を参観する習慣があり、それによる影響なのかもしれません。

変化をもたらしたと考えられる要素は数知れない。ですから、想像を働かせ、時には授業者や学習者に質問をしながら、その要素をできる限り正確に読み取ることが求められます。

この点を考えると、例えば「机間指導が必要だ」とか「授業では最後にまとめをしましょう」といった啓示は必然ではないことがいえます。学習者に価値があって初めて意味があるように思います。

 

まとめると、学習者が変化したことと、なぜそれが起きたかを見極めることが、参観において大切ということです。

 

ちなみに、変化には、よい変化も悪い変化もある。が、どちらも大切なヒントが隠されています。もちろん、変化しなかったという事実もまた、分析する価値があります。

 

なので、

①学習者の変化を観る

②なぜその変化が起きたのかをつぶさに観察し、分析する(エピソードがベース)

・教師との関わり ・学習者同士の関わり ・学習内容 ・学習環境 ・文脈性 等

③観察・分析した中で、特に変化に対して大切な要素を書き出す

  

★詳しく知りたければ、学習者に直接尋ねてみるとよいです。「今日〇〇なように見えたけど、どうだった?」「楽しかった?どうして楽しかったの?」「今日はどんなこと学んだの?」

 

★実は、この「変化を見る」「変化が起きた理由を分析する」「大切な要素を見極める」というステップがリフレクション力につながっています。この力があると、例えば自分で授業を行った後に、「今日の授業or子どもとの関わりはうまくいかなかったけど、どの部分が影響しているのかな」と自分で深くリフレクションすることができ、明日の改善につながります。教師の自己成長にも欠かせない、効果抜群なワザ!

 

★もし研究授業であれば…参観者は、授業者が目指していることに合わせて感じたことを述べるとことはどうでしょう

「静かに座れていますね」「先生はもっと〇〇なアドバイスをしたほうがいいと思います」と言われても、授業者が目指している方向性と一致していない場合、その意見は空を切ることになります。

授業者のねらったことと、学習者の姿を照らし合わせ、①ねらった姿になっていたか(観る)、②なぜそのような姿になったのかを分析(分析する)、③何が有効だったのか、もっと有効なことはあるか「こんな方法どうでしょう」(大切なことを書き出す)、について伝えるのがよいかと思います。授業者であれば、目指していたことを明確にして伝え、どんな意見がほしいか提示してもいいと思います。研究会を通していろんな方の①②③を聞くと、自分の①②③力も磨かれていきます。

学校の働き方改革の『プロセス』を追う!その⑧

さて、今回は夏に2日間で行った職員室環境改善プロジェクトで職員室がどうなったかを写真をたくさん載せながら書いていきます

 (劇的な変化ではなく、ゆるやかな変化です。理由はこちら↓でした)

kawamocho1011.hatenablog.com

 

①全景

BEFORE

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↑職員室のbefore。一般的な職員室同様、壁に高い棚が立ち、圧迫感がある。窓側の棚は結構高さがあり、カーテンを閉めるのに一苦労。流しは職員室右後方にあるが、食器棚は左後方にあって不便。机の上も物が多い感じがする。

 AFTER

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↑それがこうなりました。(壁側写真だけでごめんなさい。後で詳細出てきます)

 

まず、胸か腰あたりより高い棚は圧迫感があるかのですべて無くすか、上半分を下ろして別の場所に置きました。

 

細かいところを見ていきましょう。

 

②高い棚をなくす

BEFORE

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 AFTER

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棚、高いですね。これを低くすることが、見やすく気持ちのいい職員室につながると考えました。窓側後方にある食器棚には、実際には使っていない食器が山ほどありました。ですので、食器を減らし、食器棚そのものを流しのそばに移すことにしました。

それによってできたスペースに、この巨大な白い棚の上半分を下ろして置いてしまいました。

学校共有のデスクトップパソコン、そしてすべてのパソコンとつながっているレーザープリンターとカラープリンターが、「応接室」という職員室隣の部屋にありました。一度印刷するたびに扉を開けて隣の部屋に移動するということが繰り返されていたので、すべて職員室に持ってきました。

持ってきたものをどこに置く?ということですが、結局みんなが、よいしょってとりにいかないといけないような狭い通路や面倒な位置においてはストレスになります。

今まで、職員室には中央を交差点として前後と左右に伸びた通路があったのですが、その左右の通路が狭くて狭くて、みんなカニさん歩きして通っていました。足元にはごみ箱やら先生たちの物やらが置いてあって、妊娠している先生が通るのにとても心配でした。ですので、まず毎日勤務しているわけではない非正規職員方の机を共有用の机に変身させて、机の数を減らし、中央の交差点と左右の通路を広くしました。ここでスムーズにすれ違えます。また、プリンターにも簡単にアクセスできます。その広いスペースを使って、共有のデスクトップパソコンを置きました。めちゃ便利!

 

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壁はできれば何も掲示したくないと思いますが、みんなの交流に使えるといいなぁと考えています。現在は、うちの学校の研究の個人個人のプロセスが見えるようなものを掲示しています。研究は、「学びあう文化を職員室来る!」というコンセプトがあるので、この場所はもってこいです。

 

③窓棚をスッキリ&ボックス収納術

BEFORE

f:id:kawamocho1011:20191012161308p:plain窓側には一面に棚があります。

この棚がまず見た目に綺麗なものじゃないに加え、カーテンを閉めるのに一苦労。

以前「理想の職員室の風景」なるものをブログで書きましたが、光が入るのを少し遮っているのも事実。(これを変えるために一度棚をどかしたとき、職員室がめちゃめちゃ明るかくて驚きました。理想は「無くす」、ですが…)

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多少は整理されているんだけど、雑然としていますよね。

 

そしてそれが・・・

AFTER

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ほら、なんか窓のあたりがすっきりしているでしょう?

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棚をなくすこと自体は、窓側に座っていて棚を使っている人にとっての「不便さ」につながりそうでしたので、棚を変える方向にしました。高さは20㎝近く下がりました。

白色で統一感があり、後述のファイルボックスと色がマッチしています。ニトリで4つ買って10000円だったかな。

  

そしてなんといっても、このファイルボックスを使った収納が最高です。

ボックス太35個 ボックス中 15個 ぐらい購入しました。だいたい12000円ぐらい。

黄色の付箋でラベリングしているものは「教科」の校務分掌のもので、そのボックスに限定して収納し、「そのボックス以上に増やさない」というルールにしました。過去の資料はたまるものですが、このようなルールで、しかも見える化によって、整理整頓が維持されるということです。

青色の付箋でラベリングしているものは、この付近に席のある学年のもの。これもこの範囲に収めます。

(もちろん、今回ボックスファイルを用意したときに、みなさんに「一つで足りそうですか?」と確認しました。「必ず一つで!!」と押し切ることもできますが、その担当の方の努力でどうにかなるものもあれば、どうにもならないものもあるからです。相談してボックスの範囲を決めました。でも、基本は「一つの分掌につき一つのボックス」です。)

職員室中の棚をこのルールで統一しました。どこに何があるか一目でわかってとてもいい感じ。

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こっちの棚は「教科以外の分掌」で統一。

 

④鍵置き場

ここはBEFOREがなくてすみません。

 

うちの学校の鍵置き場は、元々6段くらいに並んでかけてありました。一応校舎とか、エリアごとに色分けしてあったのですが、これがとろうと思うと「細かくて一目で分かりにくいテプラ」がついていて、結局いつも探すのに苦労するのです。これを何とかストレスなくしたいと思って作り直しました。

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これ、うちの協力者の方の超大作です。

校舎図をそのまま書いて、その場所で使うカギをその場所にかけてあるようにしたものです。例えば、体育館は校地内の北端にあるので上にあり、体育館の西側がステージ側なので、ステージや放送に関するカギを置きました。

うちの学校では、鍵置き場は職員室の柱のところだったので、柱に合わせたサイズで作るしかなく、少し狭くなってしまってしまいました。きっとこれを見ている皆さんならもっと見やすいものがつくれるのでは?できたら教えてほしいです。

 

⑤机の整理術

まず、前提として僕は整理整頓は得意ではありません。

机の整理は、苦手な人もいます。その方だって望んで整理してないわけではないと思います。それを「きれいにしてください!」といっても、「そりゃしたいわ!」って感じです。机の整理は個人の問題ですが、これを個人の問題にせずみんなでサポートできるといいなぁと思っています。

僕たちがやったことは、整理術や整理するとどんないいことがあるかを話したり掲示板で知らせたりしたことです。

 

前回のブログで、ネット上の参考になるサイトを挙げましたが、それをもとに僕がやった机の整理術を紹介してみます。

まずそもそも、整理において大事だと思ったことは、「継続可能な整理のルールを決める」ということでした。僕はいままでここがあいまいだったので、今回やってみたら綺麗が2か月続いています。うれしい!!

 

 

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 まず外観。

僕は文房具を机の中にしまうと、そのうち増えたり分けていた仕切りが機能しなくなったりして、すぐに汚くなってしまうタイプ。そこで見つけたのがこの方法。

  

これのいいところは、

①いちいち引き出しを開けずに文房具が取り出せる

②外にあるから見られることを意識して、綺麗を保てる

です。

そして決めたルールは、

「新しい文房具は(もらっても)増やさない!使う頻度が低いものは置かない!あげるか捨てる!」です。

物が増えていい状況だとすぐに整理が追い付かなくなってしまうので、ものを増やさないルールを決めました。これ、先ほどのファイルボックスと同じですね。

 

次は、引き出しのルールです。

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最上段の幅広引き出しは、

「一時保管用の引き出し」

です。忙しいときにぱっとしまったり、帰るときに机の上の物がない状態を保つためにとりあえずしまうところ。こういう逃げ道があるといいですよね。いつもきちんとなんてできないもん。

 

三段引きだしの上段は小物入れ。

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え?鼻眼鏡ですが何か?

 

三段引き出しの中段は、もう少し大きなものを入れています。

(セロテープ入っているけど、これみんな一人一個持ってる意味ないよなぁ。)

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三段引き出し下段は大きなファイル。 

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校務分掌のものは入れません。みんなが見れるところにあるほうが、何かあったときにみんなで対応できるからです。

 

机の足元。 

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机の下によく物を置いてしまいますが、ここに置くと永遠の放置されてしまうし、足が入らないのが嫌で、右半分だけを使うことにしました。左側は、出勤後にカバンを置いています。

(「正直不要だが要保存」ファイル(笑)学校って使わないのに「この書類・冊子は取っておいてください」って配付されるもの多いですよね。ほんと、一人一つなくていい!学校に一個あればいいじゃん!3年経っても一回も見てない!みたいなやつめっちゃ多い!!ってことで、あてつけにこんなファイルを作りました(笑)これで文句ないですよね)

 

そして机の足元(写真なし)。

ちなみに、僕は机の下に「一時保管ボックス」というB4サイズの箱(業者テストの箱)を隠し持ってます。不要な書類はどんどん処分したいですが、「もしかしたら使うかも…」と思うと捨てられたないですよね。この箱は、いっぱいになるまで「とりあえずいれちゃおっ」という感じでぽいぽい入れているので、捨てるまで日数があります。大体3か月でいっぱいになるので、そうなったらシュレッダー処分しています。(1か月使わなければたいていの書類はいらないですよね)安心して処分できるから減らせています。

 

 

最後は机の上。

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机の上は、毎日何もない状態が理想です。といっても、ぼくはやりながら片付けるタイプではないので、仕事中は一気に広げて汚くなります。でも最後は片付きます。先ほどからお伝えした収納のルールができているので、今年は探し物が激減しました。

机がきれいだと、頭もすっきりしているのがわかります。「なんか仕事あったけど、なんだったっけ。しめきりのものあったようなないような・・・」という感じがなくて、スッキリ。

 

年間150時間超の探し物時間を減らすことができ、時間の節約。会社としても、ものをなくされることはリスクになります(学校は不祥事になります)。それに、机がきれいだと、お互いの顔が見えて、コミュニケーション取りやすくなります。

 

みんなできたら職員室の景色が変わるだろうなぁ。

 

⑥その他

 

その他に工夫したところを書いてみます。

 

全とじファイルくん

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「もうあの書類どこだっけー」とか「あっやばい!捨てちゃった!」とか、そういうときのため、職員室で先生たちの机の上に配付するプリントは一枚必ず入れて保管しておくもの。これがあれば、自分の手元の資料を安心して断捨離できるし、探す手間も省けます。資料がすべてサーバー上に挙げて一括管理できるシステムがあれば不要ですが、まだアナログなところもある学校なので、こういうふうにしてみました。

 

「ホワイティー

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気軽に相談や情報交換をしたり、何気ない会話のやりとりもできる情報交流板です。校内研究の「職員室に学びあう文化を」「もっと気軽に取り組めるように」というコンセプトで作ったものです。

 

⑦応接室(職員室の隣の部屋)

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ここは職員室隣の部屋「応接室」。でも、それも名ばかりで、実際は「印刷室」兼「学習室」兼「応接室」となっています。

BEFOREの写真がないのが残念ですが、この部屋は物が多く、椅子に誰かが座るともう後ろを通るのが大変な状態でした。カニさん歩きのように通っていました。しかも、なぜかどこにもつながっていないLANケーブルや電源コードとかが、カバーがついていたとはいえ床にいくつもあって、椅子を引くとぶつかったりしてストレスフルでした。

やったことといえば、

①高い棚をなくす(冗談を下に下ろす)

②無駄なコード類をすべて撤収

動線を考慮した配置に変更

でした。

 

低くなった棚の上には基本的にものを置きたくない。でも、ちょっと活用したい。ということで、みなさんが読んでいる本を紹介しあうスペースにする予定です。すでに写真のとおり、すこし置いてあります。こんな感じを目指しています。

 

あと、写真にはないですが、このような広い机のある部屋は作業がしやすいので、大きな教材づくりには最適!なので、「ちょこっと文房具箱」なるものを作りました。カラーペンやホッチキスなど、最低限の文具がひと箱に置いてあって、使うことができます。この箱も机同様、増やさないことがルールなので、2か月たった今でも綺麗を保ててています。

 

 

 

はぁ~大変だった。報告以上です。

まだまだ完成形態ではないですが、とりあえず夏休みにここまで、職員室環境改善プロジェクトを進めることができました。

 

さて、現在は、とりあえずプロジェクトを次のものに進めようと 検討中。

今度は何を改善していくのでしょうか。

また報告していきますね。

 

 

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追伸

このプロジェクトをやって、多くの先生たちが自分の机の整理整頓をはじめ、机の上がスッキリ綺麗になっていきました。

誰かがお願いしたわけではありません。

本当に「自主的に」です。

このプロジェクトのコンセプトを理解してくれたことが一番大きいように思いました。

今、職員室の机の上は、ほとんどの人が、多くてA4幅15㎝程のボックスファイル一つぐらいしか載っていません。

 

とてもうれしい出来事でした。

 

 

 

 

 

 

【延期決定】第57回湘南PACE ファシリテーション『介入』を考えよう 第3/3回」

※申し込みが少なかったので延期となりました。

 

 

さぁ、ついに三連続講座 第3回です!!

 

第3回のゲストは、りょうちゃん(藤樫亮二さん)!!

 

基本的なプログラム構成は、第1回を踏まえた第2回を踏襲して行います。

(第2回のやり方も内容も大好評でしたので!)

りょうちゃんが考えるファシリテートをヒントに、僕たちもファシリテーションをスキルを上げていきたいと思います。

 

ところで、「この講座のターゲット層はどこ?」と聞かれました。

難しいところです。

もちろん、来るのは大歓迎!ですが、きっと、

・チームビルディングに関するファシリテートを1度でも行ったことがある人

かなと思います。

逆に、上限はありません。大御所の方が来てもきっといいのだと思います(笑)

3連続講座だけど、3回目に初めてくるという方も歓迎します(^^♪

 

 

 

第1回の告知内容はこちら↓

http://kawamocho1011.hatenablog.com/entry/2019/04/06/131828

第1回の活動報告はこちら↓

http://kawamocho1011.hatenablog.com/entry/2019/05/12/212724

第2回の告知内容はこちら↓

http://kawamocho1011.hatenablog.com/entry/2019/06/26/200257

第2回の活動報告はこちら↓

http://kawamocho1011.hatenablog.com/entry/2019/07/31/103219

 

一応、もしも定員に達しなかった場合は実施不可能ですので、ご連絡します。

一週間前で決定します。

詳しくは後述します。

 

みんな来てね!

 

 

 

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第57回湘南PACE「ファシリテーション『介入』を考えよう 第3/3回」

 


〇日時:2019年10月20日(日)

 
9:30 受付

9:45 開始

 午前…概要説明、「介入」小講義、グループ作り、ファシリテーターとアクティビティ決定、一回目のアクティビティ(体験、ふりかえり、考察)

 午後…二回目のアクティビティ

 

※アクティビティはイニシアティブ系を必ず含みます。


17:00 終了

 


<ふりかえり懇親会>

 

17:30頃から、茅ヶ崎駅界隈

  


〇場所:茅ヶ崎市民文化会館

 

大会議室

 

 


〇参加費

 

2000円

 


   

 


〇服装・持ち物

 


・動きやすい服装(普段着が動きやすければそれでOKです。紐靴推奨!)

 ・ご自身の飲み物

 (おかしはこちらで用意します)

・筆記用具 

・バインダー(持ってきて!)

 

※今回は部屋の移動がないので、前回よりは昼食時間にゆとりがあります。

文化会館のカフェでも食べられます。近くにイオンがあります。

もちろん、持参していただいて会場で食べていただいてOKです。

 

 


〇定員:30名

 


人数が一定数いないと講座が成り立ちません。

 

一週間前の時点で参加者が8名以下の場合は催行中止のご連絡をします。

 

 


〇申し込み

 

shonan.paceとgmail.comの間に@を入れてメールをください。

 件名は「第57回湘南PACE参加申し込み」でお願いします。

 本文には以下の項目を記入してください。

 


お名前:

 
所属:

 
携帯番号:

 
懇親会の出席:

 


返信をもって申し込み受理とします。

 


キャンセルは早めにお願いします。

 応募多数が予想されます。無断欠席は、湘南PACEへの今後の参加をお断りすることがあります。

 キャンセル待ちの場合は、その旨をお伝えします。

 


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学校の働き方改革の『プロセス』を追う!その⑦

今日は、プロジェクトチームの始動から、決定した改善案まで書いています。

 

 

プロジェクトチームのミーティングは、一気にやるより、少しずつ時間を置く方がいろんなアイデアが出ると思ったので、数日にわたって行いました。

  

まず行ったのは、チームのメンバーからの

「ここがもっとこうだったらいい!」

の意見を発散することでした(全体としては、学校の校務支援システムを使った掲示板でも広く意見を集めていました)。

得手勝手・奇想天外な意見大歓迎!クリエイティブに発散するようにお願いしました。

多くの人を巻き込みたいから、あえて職員室横の「応接室」というところで行いました。この部屋に印刷機があるので、通り過がりの先生も「へぇ~」とか、「ここもっとこうだったらいいよね」なんて首を突っ込んでくれました。

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発散した内容の一部です。ホワイトボードなので、通りすがりの人も見やすいです。

何日か話し合いました。

結構もめました。実際購入できるものも動かせるものも限られているし、動かした後に何を持って来るかも考えなければならないですし。

一番は、「これだと嫌な思いする人いるかな?」というところでした。

要所要所で、大事なことは大事な人に確認するのが大事です。

「こういうふうにしたら、どう思いますか?正直、どう感じられますか?」

という感じで、プロジェクトメンバー以外でも聞いていきました。

 

数回のミーティングを経て、こんな職員室・応接室案が決まりました。

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↑上が途中経過、下のが完成形。

普通な感じしますよね。でも、かなり変わっています。

本当はもっと大幅に変えたかったのですが、以前からお伝えしているように、変化を好まない人もいます。年度途中で席を替えることって、大きなことですから、それもできるだけ減らす形で。かつ、来年度人事や学級数が変わっても、問題なく体制が維持できる形です。

あまりぶっ飛んだことやりすぎて、敬遠されても嫌ですし。机の配置よりも、それ以外から主に変えていきました。

 

 ただ、過ごして分かるけど、これだけでも相当変わりました。後程写真で載せます。

 

コンセプトを言葉にするとこんな感じです↓

 

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来週提案

夏休み中に実行

お試しでそれで過ごしてみる

夏終わりに改善点を集約

さらに改良

9月スタート

 

【クリアしなければならないこと】

□○○さん、○○さん、○○さん新しい案での机の位置の許可

□○○さんのPCが廊下から見える点

 

実行日時:8月7・8日(水・木)

 

★改善案のコンセプト

①スムーズ・安全・効率的に移動できる形

 転びそうになり危険、動きにくくすれ違えない、ぶつかって倒れる…がない。妊婦の先生も安全に苦もなく通れるように!

 移動に時間が少しでもかからないように。

 例)プリンターを職員室に。

・デスクトップPCやカラーPCも使えるように。

・プリンターの紙を取るのに行き来しやすいように。

・応接室の通路を広く確保。座ってる人がいても後ろが通れるように。下の無駄な配線が転倒に繋がるから減らす。複写機と紙置き場等の場所を一列に。

・児童票を職員室に。そして鍵の開け閉めも最低限にする。

・印刷教材は印刷機のあるそばがいいからを応接室へ。

・食器棚を流しの近くに。

 

②整理整頓

・本当に必要なものに精選。でも、「とっとかないと」というものもある。棚の整理、あるもののある場所の見える化

 例)机の整理整頓の仕方も共有(汚い=紛失=リスク←これ管理職に言ってほしい)

・職員配布プリントは全て一つのファイルに(探す手間省く)。

・分掌ファイルや学年のファイルの作り方の基準をある程度決める。

例)ボックスファイルで、ものの管理を見えるか&「それ以上増やさない」のメッセージに。

 

③職員室の風景

・見通しがよく、どこに何があるか分かる。

・キレイが続き、気持ちよい。

・もの探しの時間をなくす。

・互いのコミュニケーションがとれるように。

 例)窓側の棚の高さを下げ、色を職員室と統一感もてるようにする。カーテンも締めやすい。

・光が入る。

・黒板の掲示物の整理整頓。基準作り。

・棚の高さを減らし、壁を活かし情報交流。

 

異動後、数日間過ごしてみます。最悪、戻せます。

8月の職員会議で、再度改善案等をうかがいます。

 

(以上を維持するために、毎回職員会議で10分間の片づけタイムあるといいなぁ。)

 

お願い

・7日8日にご迷惑をおかけします。ご協力いただける方はお願いします。

・棚の整理をします。ある程度、ものを「必要」「なくてもいける」「不要」に分類し、分類のシールを貼らせていただきます。後日出勤したときに一緒に確認させてください。

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ちなみに…みなさんそれぞれの感じていることに加え、本やインターネットで調べたことをヒントにして情報を出し合っていたので、それを載せます。

参考にしたリンクのいくつかはこちら↓

↓ここのブーメランデスクのオフィスは、対話もしやすくてイイ!!

座る椅子も、このほうが疲れないだろうなぁ。スペースもクリエイティブ。

 ↓そうそう、オフィスに光が差し込むって、本当に素敵なこと。

コクヨはやるなぁ。

↓こういう本も持ち寄りました。

 

 

民間企業のオフィス見学会ツアー組む?とか、そんな楽しい案も出ました。

 

 今日はここまで。

次回はBefore Afterの写真かな?

 

 

 

 

 

学校の働き方改革の『プロセス』を追う!⑥

少し間が開きましたが、今日は、職員室環境改善について、職員会議等でどのようにして伝え、プロジェクトとして動き始めたかを書いていきます。


職員会議で提案するにあたって、大きく次の2点について考えました。
□いつ、だれが、どこまで参加(参画)するのか
□どのように提案したら、みなさんが納得して気持ちよくスタートできるか

 

いつ、だれが、どこまで参加(参画)するのか

いつ…勤務時間終了後、時間を決めて定期開催。無理のない、持続可能なリズムで。
だれが…「やりたい!」「やってやろうじゃないか!」という人でやる
どこまで参加(参画)…どこまででもOK!

職員室環境改善プロジェクトは、すでに素案は、僕と協力者と数回通ったコ〇ダ珈琲で楽しく作っていました。これは、無からやるよりもある程度のたたき台(案)があったほうが、僕らも、参加参画する人たちもイメージがもてるからです。

 
さて、そもそもプロジェクトは、ボランティアで行っているようなものです。誰に命令されているものでもありません。そして、まだやったこともなくてどれくらい大変かもわかりません。ですから、基本は、「やりたい人でやる!」です。
そもそも、なんでもそうですが、「主体的にやれる」って楽しいです。自分のアイデアが生かされるって楽しいです。そして、そういう環境があれば、楽しくやれると思います。ちょっとずつ、職員室環境改善についての話をいろんな人たちとしてきたから、きっと参加してくれるだろうなと予想できました。だから、「やりたい人でやる!」でやることにしました。
もちろん、参加してくれる人は貴重な時間を使って参加してくれのですから、何か「やって得した!」と思えるものがあるといいなぁと思っています。この点に関しては、「個人の机の上と中を中心として整理術を教え合う」「お疲れ様飲み会を開催する」を考えました。でも、参加してくれる人は実際、そんなことなくても、楽しんで参加してくれていたように思います。

 

どのように提案したら、みなさんが納得して気持ちよくスタートできるか

僕は次のように職員会議で話してみました。
でも…話すって難しいですよね。もっとうまく話せたなぁと感じることたくさんでした。
とりあえず載せています。
基本、参考にしている本はこれ↓

説得力があります。

働き方改革をすることがリスクマネジメントになることがよくわかります。

 

働き方改革 生産性とモチベーションが上がる事例20社

働き方改革 生産性とモチベーションが上がる事例20社

 

 

 

労働時間革命   残業削減で業績向上! その仕組みが分かる

労働時間革命 残業削減で業績向上! その仕組みが分かる

 

 

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すみません、ちょっと5分ほどお話しさせてください。

今、「働き方改革」が世の中で始まっています。

うちの兄がコンサルの仕事で、いろんな会社や学校、市役所などの働き方改革のお手伝いをしているのですが、その社長の本で次のようなことが語られていました。
・若い先生は、明日子どもができたら、今の働き方で仕事が続けられるか。
・ベテランの世代の先生方は、団塊の世代のお父様お母様にもし介護が必要になったら、介護をしながら仕事を続けたり、介護休暇を気持ちよくとることができるか。
→これらが維持できない会社に将来はない。さて、今の学校現場はどうでしょうか?
だからこそ、僕は、こういう家族のことも、働く同僚のことも、みんなが助け合って、頼りあって、幸せに過ごせたらなぁと思っています。働き方改革で、プライベートを大事にするだけじゃなく、仕事そのものも幸せに楽しく働けるようになるのがいいなぁと思っています。そして、教育上大事にしたいこともはっきりして、教育を受ける子どもたちも幸せに過ごせること。これを、行政や教育委員会が何とかしていくれるかといったら、実際にはなかなか変わらないと思っています。もし変わるとなっても、かなり待つことになることが予想されます。そこでまず、僕たち働いている職員で、学校現場から何かできないかなと考えています。

 

少し話は変わりますが、一般的なサラリーマンが一年間で探し物に費やす時間、どれくらいだと思いますか?はい、〇〇先生、どうぞ。ブー(笑)正解は、150時間です。体感的なものですが、たぶん学校の先生はもっと費やしている…と思いませんか?


今回、働き方改革を進めるプロジェクトをこの〇〇小学校で始めたいと思いました。そして、手始めにまずは職員室環境を改善したいと考えました。

 

どうやってやるかというと…まず、「一緒に考えてもいいよ!」という方をプロジェクトメンバーとし、その方々と夏休みまでに案を決めます。その後、夏休み入る前にみなさんにご提案します。そして、夏休みの〇日と〇日の二日間にリフォームします。
具体的には、プリンターや〇〇の位置を変えて動線をよくしたり、光が入って気持ちのいい窓際を作ったり、今まで気を使ったりカニさん歩きですれ違っていた通路をちょっと変えていったり、職員室の壁が棚ではなく、すっきりとした壁が見え、みんなが交流できるように情報掲示板ができたりと、そんな感じで考えています。どこに何があるか見えて、互いに関わる場にもなる。四季が分かり、なんだか頭が活性化する。
プロジェクトメンバーの方には、可能な日に放課後ちょっと集まって、あれこれアイデアを出し合って楽しく進めていこうと思います。もちろん、皆さんからも広くアイデアをいただけたらと思っています。なるべく、みなさんには負担のない形で取り組みたいと思っています。(でも夏休み中リフォーム中は、ちょっとだけご協力をお願いしたり、ご不便をおかけしてしたりとして今うかもしれませんが、お許しくださいね。)

 

ということで、働き方改革のプロジェクトの一つ、「職員室環境改善プロジェクト」を始めることにご賛同いただけますでしょうか。

 

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この後、「現時点でプロジェクトに参加します」という方いらっしゃいますか?と聞いてみたところ、4・5人手をあげてくださいました。

「鉄は熱いうちに打て」ということで、その日のうちに1時間だけ、一回目のプロジェクトミーティングを行いました。

 

 以上です。

 

次回は、たたき台をもとにプロジェクトメンバーと話し合った経過を書きます。