もっさんのブログ

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みんなでつくる『学校教育目標』①

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今日は、第一回のビジョンプロジェクトミーティングでした。

 


本当は、職場全員の参加が望ましいです。

この本にもありますが、ことビジョンにおいては、結論や成果物と同じぐらいプロセスが大事になります。

 


これまでの学校教育目標形骸化にならないようにしたいのですが、一部のメンバーで進めては結局同じこと。その結論に至ったプロセスこそが、みんなが納得し、短い言葉でも意味がわかるというもの。

 


ですが、この多忙極まりない教職員の仕事の日々の中、このプロセスを全員で丁寧にやるのは至難の業。それこそ、不和を生み出しかねません。

 


まずは、前回の職員会議のプレゼンで手を上げてくれた方々を中心にミーティングの日程を決め、少しずつフレームをつくる作業をしていくことにしました。もちろん、「ちょっと見に来ました」的な参加も大歓迎!本校は職員室と扉で続いている応接室があり、応接室に印刷機があるので(笑)、人が行き交うこの部屋をミーティング場所として選びました。

 


今回の話す内容はこんな感じ。

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すでに『えんたくん』と、ホワイトボードミーティングのケース会議で、発散の「書きたくる感じ」を掴めている本校の職員に、ホワイトボードの記録をお願いしたところ、交代でどんどんやってくれたので、僕は進行に徹することができました(みなさんのサイドワーカーぶりも素敵でした)。

 

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結論から言って、この

「どうしてこのプロジェクトに参加を?」

「学校教育目標にどんな思いをもっていますか?」

の問いに対する皆さんの答えに奮えました。

本当に素敵。

普段仕事していては見えない、皆さんの教育に対する思いや、保護者や同僚とのコミュニーケーションに感じていること、教育の夢のようなことも聞くことができて、とてもとてもワクワクしました。唯一もったいないのは、これを全職員とやりたかったなぁというところ。ですが、もしかしたら、ここに価値があることをミーティングメンバーが思えば、今後開かれるかも?

あと、意外と多かったのが「ワクワクするから。面白そう。」という動機。これも純粋に嬉しいです。そう、ワクワクしなきゃやりたいって思わないですからね!感情や気持ちはエネルギーの源。

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けっこう行き交う人が足を止めて見てくれたり、一言くれたりして、応接室でやってよかったなって感じです。

 

 

そんなワクワクする時間の後、目標のフレームについて話しました。

 

□形骸化しない

□パッと見て誰でもわかって、言える

□文字だけじゃなくて、イメージや情景が見えるイラストがあるもの

□子どもも保護者もみんなが参画していて、それがわかる形のもの

□いわゆる字ばかりで読む気になれないもの(笑)も作るけど、表に出すのは、簡単でイメージが湧いてワクワクするもの

 


この辺りをベースにして、次回までになんとなくフレームの図を考えてきて、次回は具体的なフレームがイメージできるところまで決めよう、となりました。

 

 

 

さて、保護者ももちろん参画して欲しいわけですから、学校教育目標のイラスト化は、保護者の中にできる人がいるのでは?と期待しています。保護者はお客さんじゃない、僕ら生み出すメンバーと同じですから、つくるのに必要な力やプロセスはぜひ一緒にやれたらと思っています。僕らより、専門的な知識や経験のある方がきっといますからねー。

研究→研修へ 学校改革の一端を担う2021年度の学校研究へ

以前から記録している学校研究について。

2021年度の方向性はこれです。

 

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スライドに出てくる彼は

「Word」のアイコン機能で出てくる人物。

検索するとなぜか「拓実」と出てくる。

 

つまり、彼は「拓実」さんなのである。

 

ほんまかいな。

働き方改革の目的は、『時短』じゃないって話。

働き方改革の目的は、『時短』じゃないって話。


最近のブログをFacebookに投稿して、コメントやら個人的にメッセージやらもらって、改めて。


働き方改革
ワークバランスを整える
この目的は、「時短」じゃないです。

 

 
そういう認識で僕らは、以前ブログで書いた
「職員室環境改善プロジェクト」も、
「研究の提案」も
「学校改善」も
してません。

 

 
そうじゃなくて、
『多様性を尊重し、
みんな幸せに働けるWin-winな働き方を見つけること』
これが目的でしょう。

 


よく数字で出る働き方改革や、教育委員会がやってる働き方改革は、時短がメインです。それはそれでありがたいですが、それを働き方改革と定義していると、たぶん職場の人は納得しなかったり、同調圧力で不幸になったりします。

 

 
「子どもの姿こそ追い求めて、研究に力を注ぐんだ!」と、トップダウンで、ゴリ押しの研究が降りて来る。(研究じゃなくてもいいけど)
そうやって声をあげても、実は家に帰って子どもの相手をしなきゃいけなかったり、夫婦のコミュニケーションがうまくいってなくて帰っても辛い生活をしていたり、親の介護でヘトヘトだったり、子どもがいるけど独身で仕事と子育ての間を見つけて新しい出会いを求めて一所懸命いろんなイベントに参加していたり。
こういう人たちはきっと、上の言葉には不満に思う(または、波風立て内容に無関心装う)から、研究をテキトーにやるようになるかもしれません。

 


職員会議でまる付けしている人がいたら、何を考えますか?それほど、早く帰らなきゃいけない何かがあるんだって考えてみたことはありますか?

 


仕事に力を入れられない人がいたら、まずどうしてか知ることから始めてはどうでしょうか。

 


逆に、自分で仕事でこだわりたいところがあれば、こだわったっていい。それが大事にできないと、幸せに働けない。時短は、人の時間を尊重するための一つの方法なだけ。
この認識が前提にないと、変化は難しいんだと自覚できました。

 


************
ちなみに、僕は今、家族と職場で手一杯です。別に悪い意味ではありません。


職場は、今身近な人が幸せに過ごせる場を作りたいと思っていて、一番コミットしやすいし、とても長い時間を一緒に過ごしている仲間だから、こうやっていろいろと頑張っています。職場を僕のフィールドとして自分の実践を広げ、腕を上げることにしています。
ただ、僕がいなくなっても職場はつぶれません。

 


だけど、家族は、僕がいなかったら、ほかに守ってくれる人がいません。だから、こっちが一番大事。
子育ては仕事よりはるかに大変です。育休とったから尚更わかる。

で、家に帰ったら、少しでも妻に楽にしてほしいから、平日は隔日でノー残業デーにしています。

残りの隔日は、たまった仕事消化に6割、職場の幸せに2割、と自分の腕磨きに2割の時間を使っています。

これも大事な時間なので、妻にわかってもらっています。

妻が元気だと幸せです。

ママが幸せだと家族が幸せになります。

僕が家に帰れば、家事と育児は基本全部やりますスタンス。

あと、娘が超かわいくて大事だから、娘にのためになることは全部やる。

最近、部屋から出ると泣くからかわいくて仕方ありません。

 


こんなだから、今はSNSからも離れているわけです。

「いいね!」もあんまり押しません。なんか、押してない人のことを考えると、押せなくなってしまうのです。コメントもすると、コメントをしなかった人に悪い気がしてしまうのです。

だから、そっけなくてすみません。

今まで出会ったみんなも大事に思っているのは変わりません。みんな愛してるぜ。Universal Love!!

 


大事なものを大事にするため、自分の中での大事にすることの優先順位を立ててやっています。

まずは、身近な人。

これが僕の働き方改革

 


↓職員室環境改善プロジェクトのときの記事
http://kawamocho1011.hatenablog.com/entry/2019/08/29/084919
http://kawamocho1011.hatenablog.com/entry/2019/08/29/173705

「個別探究&組織開発&ワークライフバランス」をテーマとした研究の末…

今回は、前回のブログで載せた、3年間続いた研究が終わり、2021年度どのような方向性でスタートしていくことになったのか、そのターニングポイントを書いてみる。

 

 

その件について、ここで僕も記事を書いているので、こっちも見ていただけるとより詳細が載っています↓

授業づくりネットワークNo.38―若手教員とどう歩んでいくか

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まず、昨年度まで3年間続いた研究は、端的に言うと、

ワークライフバランスを整え

□教職員の満足度の高く

□教職員が主体的に取り組め

□互いの実践にコミットしあう形の個別探究の研究

 

を目指した研究だったが

それがどうだったのか。

 

 

結論からいって、成果と課題の両方がたくさんあった。

3年間でこの研究は一度ストップした。

が、個人的には得られたものが大変多く、どこかいつかどこかでこのスタイルを復活してみたいと強く思っている。

 

まず成果はとてつもなくあった。

 

①互いに異なる研究だったので、教員の互いの関心や強み、得意分野がよく見え、対話の量が格段に増え、学び合う環境ができた。

②「研究授業の終わりが研究の終わり」ではなく、公開授業が終わっても、ずっと研究が続いてたので、子どもたちへのメリットが大きかった。教員も、常に頭の中に意識していることが多かった、と言っていた人が多かった。

③自分の関心のあるテーマが扱えたので、これまでよりはるかに主体的に取り組めた

④基本的に研究時間内で研究が終わることを目指した(もちろん、もっとやりたい人はもっとやってOK)ことで、ほとんどの教員が研究に前向きに取り組んでいた。

⑤研究のあり方について、みなさんから本音で意見がもらえるようになった。

 

 

ただ、3年間続いて一度終わったのは、問題があったからだ。

僕らが感じた大きな問題は3つ。

「圧倒的に時間が足りなかったこと」

「互いのフィードバックの質を上げた、刺激的な関係性を築けなかったこと」

「研究の目標のあり方とそれを評価方法があいまいだったこと」

だった。

 

 

月1回の研究会では圧倒的に時間が足りなかった

我が勤務校の研究会は月に1回、年間で11回の行われていた。

互いに異なるテーマ(例えば、『学び合い』「時短」「発問」「国語」など)の研究を行っているので、互いの研究を進展させるためにコミットし合うことが重要になってくる。「コミットし合う」のイメージは、互いの研究に対して何かしらのフィードバックやフィードフォワード、アドバイスや問いかけを通して研究の質を上げるための協同的な関わりができている感じ。もちろん、100点は無理だろうけども、70点ぐらいは達成したいと思っていた。だが・・・

5時間目が終わってから勤務時間内で月に1回行う研究会では、お互いの研究の内容にコミットし合おうにも、ほぼ「聞いて終わる」ということが多かった。圧倒的に時間が足りなかった。特に、専門的だったりオリジナルだったりする研究を行っている方の実践は、研究会の時間だけでは理解することも不可能であった。これが圧倒的で大きな課題であった。

 

この点は、結構改善策が簡単に浮かぶ。研究会の回数を増やす、ということだ。ただ、職場の合意がないと難しい。研究に価値があり、楽しく魅力的であれば承諾していただけると思う。今回は問題がそこだけでなかったので、交渉はしなかった。

 

互いのフィードバックの質を上げた、刺激的な関係性を築けなかった

これは多くの学校であるのでは?

我が校は組織開発で言うところの「健全性」が結構高い。

仲がよい。明るい職員室。それぞれ強みが見えていて、いろんな話ができる。

 

だが、簡単にいえば「ぬるい関係性」になっているところがある。

授業を観に行っても、どこか腫れ物に触らないようなアドバイスばかり。遠慮しているのか、それとも本当に何を言ったらいいのかわからないのか。

同じ学年を組んでいても、互いの授業や子どもとの関わり方についてあれこれ言い合うことがない。

これを研究会のあり方でどうにかしようと、世の中にはあれこれワークショップの手法やら何やらがあるけども、それって問題をごまかしてしまう側面が多分にあるように思う。そもそも。

問題は研究会のあり方ではない。関係性の質の問題が大きい。

また、もし「何を言っていいのかわからない」という理由なのであれば、学校の中にインプットの場を作ってしまうのも有効。

ここら辺は、先ほど紹介した「授業づくりネットワーク」の記事の中に、若手に聞いた意見があるので参考になるかと思います。

 

研究の目標のあり方とそれを評価方法があいまいだった

そもそもの研究テーマが、学校教育目標とあまりリンクしていなく、目標が二重に存在していた。

そもそもそもそも、みなさんの学校教育目標は「生きて」いますか?

 

よく考えたら、もうそこから大きく引っかかってきます。

↓この辺を読むとよくわかります。

変わる学校、変わらない学校―学校マネジメントの成功と失敗の分かれ道

変わる学校、変わらない学校―学校マネジメントの成功と失敗の分かれ道

  • 作者:妹尾 昌俊
  • 発売日: 2015/10/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 また、石川晋さんに「エピソードを残していこう」とアドバイスをいただいたものの、それを生かすだけの時間と、それぞれの先生たちに「エピソードを残すってとてもいい!」とその良さを実感できるところにまで到達することができなかった。研究が進んだかどうかを評価する方法も定まっていないので、なんとなく進んで、なんとなく研究の成果が達成されたかが評価されて、なんとなく次年度になっていく流れに・・・

  

 

 

 

ここで、この研究方法をこのまま行っていくことに限界を感じたわけです。

 

 

ただし!あくまで総合的に判断してそうなったわけで、この方法のいいポイントは山ほどあったので、「今はまだ・・・」「もっと最初に見直しておきたいところが・・・」という感じて一度ストップしたわけです。

 

 

そして2021年度はどうなっているかというと、

先ほどの3つの問題をクリアするべく動き出しています。

それはまた次回に。

 

 

 

 

みんなハッピーを目指した校内研究の変遷 2018年~2020年

この3年間、変わった研究をしてきました。

変わっていますが、願いや思い、目的や目標を考えて、その中で研究主任に提案してきたことを、みんなで作り上げてきました。

そして、2021年度から、さらに面白いことになってきています。

自分や、自分が異動したときや、他の学校で参考になって、みんながハッピーが研究や学校づくりがどんどん広まってほしいと願い、今わが勤務校で起きている面白いことを記録していきます。

 

 

 

とりあえず、昨年度までの話。

 

大元の

「目指す子どもの姿」

のようなものについては、既存のまま来ました。

(ここをかえる話は、後日ブログに書きます)

それ以外のところで、

 

ワークライフバランスを整え

□教職員の満足度の高く

□教職員が主体的に取り組め

□互いの実践にコミットしあう形の個別探究の研究

 

を目指しました。

 

パワポ資料の一部はこちら↓

 

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追伸*************************

 

(facebookのコメント欄より)

大事なのは、方法論よりも、関係性と互いへのケア。(そこを見える形になっている記録や本はほとんどない)
そこを疎かにすると、真似しても煙たがられたり、結局不満な人が出たりする。似たように、有名な人の実践を方法論として真似して失敗し、周りに煙たがられる人を見てきた。自分も含め、自戒を込めて。

そのプロセスもどこかで書きたいと思います。結構エネルギーいるので、かけなかったらすみません笑 聞かれれば答えますねー

 

働き方改革で、早く帰るのは大事。でも、もっと教材研究したいって気持ちも大事。だから、選択できるのが大事だなと思う。働き方改革は、働き方を減らすのだけじゃなく、一人一人のニーズに合わせて働ける環境づくりが大事だと思う。
うちの研究は、こだわりたい人はとことんこだわってやっていたし、毎日子どもの送り迎えと家事で忙しい人は、時短を研究テーマにしたりしていた。

「自分の強みを見つけよう~8つの知能で未来を切り開く」を読んで

マルチプル・インテリジェンス(多重知能)という考え方は、以前から知っていたが、この本を読んで納得した部分を書き記すことにした。

 

 

従来のIQは知能を一つの尺度で記したもの。

学力テストもそうだが、どうやっても知能の一側面しか測定できていないのに、あたかもそれが全てのように感じてしまうことが問題点だった。

 

そんなことはおかしい!ということで、アメリカのハワード・ガードナーが知能を8つの側面からとらえたマルチプル・インテリジェンス(多重知能)理論を提唱した。

 

マルチプル・インテリジェンス理論では、知能は8つの側面がある。

同じ課題でも、人によって課題達成へのプロセスは異なる。8つの知能のうち、自分に秀でているものを使って課題達成を試みることができる。

例えばフルマラソン完走を目的としたら。

身体・運動的感覚知能が高い人は、とにかく走ることを体に刻み込むかもしれない。

音楽・リズム知能が高い人は、音楽を聴きながらリズムに合わせて走ると、楽に長く走れるのかもしれない。

対人的知能が高い人は、誰かと一緒に練習に取り組むことがモチベーションになるのかもしれない。

こんな風に、一つの課題を達成するのに、人それぞれのアプローチがあっていいし、得意な知能を生かしたほうが達成に近づきやすくなる。

 

また、この知能は得意なものを伸ばせば伸ばすほど、どんな課題でも活用・応用して達成に近づきやすくなるので、とても有効だという。フルマラソンを例に考えると、自分の得意な知能を極めれば、他のことでもなんでも応用できるのがイメージできる。苦手なものを補うことよりも、得意なことを伸ばすことにメリットがというのは、こういうことだったのだ。

 

 

これまで、「テストや学力として考えられて出てくる点数があるけども、その子その子にいいところがある。得意なことがある。」そんなことを言ってきた人が大多数だろう。また、「得意なことを伸ばせばいいんだよ」とい言葉もよく言われる。いずれにしても、実際その意図は、自己肯定感や自尊心を損なわないために言われてきたところが大きかったように思う。

でも、このマルチプル・インテリジェンス理論で考えていくと、それはただの自己肯定感・自尊心を損なわないためのものではなく、本当にテスト・学力だけで測れていない知能があり、得意なことを伸ばすことが他の様々なことに活用・応用できるという、とても心強く実際的な後押しになる。

 

この考え方はとても素敵だし、とても生かしやすくなるし、行きやすくなるように感じる。

 

 

さて、今の学習指導要領のいうところの評価はどうだろうか。

まずそもそも、言語・語学知能が高い子が◎を総ざらいしていくのが学校文化。この時点でかなり問題がある。ここを改善するには、先生たちの評価を変えるために時間を確保しなければ変わらない。正論だけでは、多様な評価は行われない。

また、

■知識・技能

■思考・判断・表現

■学びに向かう人間性

というつっこみどころ満載の3観点。

この3観点で評価された人は、何が得意で、どうやって改善すればいいかわかるのだろうか。まず無理。

評価を受けても、受け手が改善の仕方や方向性がわからないような評価は、「死んだ評価」と言わざるを得ない。何のための評価だろか。

「非認知的能力」を子どもたちに 学級通信 その⑤ ラスト

 


前回までの内容・・・

 これまで、ステキな大人になり幸せに暮らすための重要な力として世界的に研究されている「非認知的能力」を紹介しました。この力はテストでは測れない力の一つです。その力のなかでも「自制心(自分をコントロールする力)」の身につけ方について書いてきました。

「非認知的能力」はどうやってつける?~まとめ~

 

 「非認知的能力」について、今回で最後のまとめにしていきたいと思います。

 僕は「非認知的能力」次の6つに分けました。

 

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まずは「無条件の愛情」が大切

 

 全てにおいて重要なのは、「無条件の愛情」でした。ありのままの自分を身近な大人に受け止めてもらえていないと、認めてもらうことに必死で、他のことにはなかなか関心や気持ちがいきません。信頼でき、安心できる大人が身近にいてはじめて、他のことを吸収する余裕が出てくる、ということのようです。

「好奇心のあることに没頭する(とことん遊ぶ)」ことの価値

 

 次に大事なことは、「好奇心のあることに没頭する(とことん遊ぶ)」です。【Grit】は、自分の力で最後まで何かをやり抜く経験が重要ですが、途中であれこれ手や口をなるべく出さず、自分で納得のいくまでやることが大事だそうです。その経験が、「私はできるんだ」という自己肯定感【自尊心】を育みます。【自尊心】がしっかりしていると、前向きに物事を考え、「次はこうしよう」と考えられるようになります【ポジティビティ】。大人もそうですが、自分が夢中になっている趣味は、どうやってやろうかとか、どうやったらもっとうまくいくかとか、考えますよね。子どもの遊びも同じことが起きて、あれこれ工夫が始まります【創造力】。

 さらに、ここに他者が加わるような状況があるとよりよいように思います。小さい子であれば、例えば砂場で遊んでいたとして、誰かと場所を分かち合うことになったり、協働で同じ大きなものを作ろうとなったりと、協力したり対立したりします。他者と関わることで、自分の感情と向き合うことになります【自制心】し、うまく折り合いをつけることも学びます【社交性】。どちらかが我慢するだけでなく、互いに納得できるwin-winな遊び方を考えるきっかけになります【創造力】。

 ですが、特に小さいときであれば、これらの遊びは本人の関心(≒好奇心)のあることでないと難しくなります。関心のないことであれば、最後までやり抜いた達成感は得られにくいですし、そもそも関わって対立したら「離れて終わり」になります。自分の感情と向き合うこと【自制心】なく、回避したりやめたりすることで解決としてしまいます。「やりたい!」と思えることで他者と関わるからこそ、いろんな問題や葛藤を乗り越える気持ちが維持でき、乗り越えたから力が付いてくる、ということです。ですから、「好奇心(≒関心)のあること」がとても大事になります。

 今のお子さんの年齢に当てはめてみると、どうですか?何か好奇心をもって取り組めそうなことはありますか?

 

 その他にも、身に付けるための方法はたくさんありますが、紙面の都合もありますので、興味のある方はこの先はまたネットや本などで情報を集めてみてください。

 「ゲームはどうなんですか?」と質問が来そうですが、ゲームも効果的な場合が多々あります。特に他者と関わるオンラインゲームやソーシャルゲームは、互いの利益(関心)が一致しているので、効果があるという研究結果もあります。

個人的には「キャンプ」はかなりおすすめです

 

 僕のおすすめは、初めて会う仲間とともに過ごす、宿泊を伴う野外体験です。「環境教育」というより、「冒険教育」という、自分自身や他者と向き合っていくジャンルのものです。アメリカではサマーキャンプとして数週間から1か月単位のものが広く行われていますが、それほど教育的効果があるからです。不自由な生活で、他者との共同生活。そして勇気をもって一歩踏み出さなければできないチャレンジ。でも、楽しいこともたくさんつまっている。寝食を共にした仲間との思い出は、日常生活に戻っても持続する自尊心も育みます。今年はなかなか難しいですが、チャンスがあればいかがでしょうか?冬のキャンプもあります。

最後に、僕の願いです

 

僕は子どもたちに

「自分から行動することで、今よりもうちょっと幸せな家族、幸せな友人関係、幸せな社会を築けるようになること」

を願ってこの仕事に携わっています(ミッションステートメントというやつです)。

そのために以下のような非認知的能力は不可欠だと思っています。

  • 自分の苦手を知り、自分の得意なところで苦手なところを補う。気持ちを上手にコントロールして、いつも抑え込むのではなく、適切にコントロールする。
  • 最後までやりきったと思える経験をもとに、粘り強くチャレンジできる。
  • 互いが納得できるWin-winなアイデアを考えられる創造力をもつ。
  • 自分の気持ちも相手の気持ちも、自分の言葉も相手に届くように伝えられ、相手の言葉も誤解なく背景を想像して聞いてあげられる。
  • 前向きで次に進んでいける。罪を責めるより、次はより良くしていこうとする気持ちを尊重できる。
  • 人を愛し愛され、自分らしさが多様にある(○○が好き、○○が得意など)。得意なところはどんどん伸ばし、得意なことが人に誇れるほどに伸びている。揺るがない自尊心。そんな人はきっと、人からも信頼されるでしょうし、相手に任せることもできると思います。

 

長くなりましたが、お付き合いいただきありがとうございました。

また何か子どもの育ちに関する情報がありましたら、お知らせしますね!

「非認知的能力」を子どもたちに 学級通信 その④

前回までの内容・・・

 これまで、ステキな大人になり幸せに暮らすための重要な力として世界的に研究されている「非認知的能力」を紹介しました。この力はテストでは測れない力の一つです。その力のなかでも「自制心(自分をコントロールする力)」の身につけ方について書いてみました。自制心の「行動面」ということで、忘れ物を取り上げ、忘れ物をしてしまう自分の行動の癖を理解し、自分に合った対策を試行錯誤して見付けていくことについて書きました。

「非認知的能力」はどうやってつける?自制心の「感情面」

 

 今回は、自制心の「感情面」について書いてみたいと思います

 (またまた長いので、お付き合いいただける方はよろしくお願いします!)

 怒りを鎮めたり、感情をコントロールしたりすることは、自分のパフォーマンスを上げるだけでなく、周りの人のパフォーマンスも上げることができます。とっても大事なことです

 例えば、「発表会まではとてつもなく練習をしてきて、自信たっぷり。でも本番は緊張でいつもの半分も力が出せなかった…」なんて経験はありませんか?僕は小さい頃からそうで、先生になってからもそうで、例えば懇談会である程度リラックスして話せるようになったのはここ数年のことです(笑)トップアスリートはみなさん、感情面のコントロールを身に付けているようで、だから高いパフォーマンスを発揮できるようです。

 ここでは僕がいいと思って自分を改善し、子どもたちと接するときにも、子どもたちが実践するためにもよく伝えている方法を中心にご紹介してみます。

 

 順天堂大学医学部教授の小林弘幸さんが「自律神経を整える 人生で一番役に立つ言い方」という本を出版しています。この本が僕にはとっても合っていました。題名は「言い方」と言っていますが、それだけにはとどまりません。

 医者の一言は患者の病と闘う気持ちを上げもするし下げもします。心ない言い方で病気が悪化することもあれば、素敵な言い方でどんどん前向きになり病気が治ってしまうこともある。そんなご経験から「言い方」というテクニックだけでなく、よい言い方が考えつき、よい言い方になるための心の状態を整えることの大切さを説いています。「練習は良かったのに発表会では緊張してうまくいかない」ということは、発表のやり方の問題ではなく、そのための心の状態の作り方がポイントですよね。

 小林先生は、自律神経をもとにして話をしています。簡単に言うと、自律神経は、

 

交感神経…活発さ、血管や筋肉が収縮   副交感神経…リラックス、血管と筋肉の弛緩

 

のバランスを整えています。このバランスが整っている状態を作りだすことが大事ということです。どちらかが優位になっているとパフォーマンスが下がってしまう、ということです。

 タクシーの運転手が道を間違え、「すみません、Uターンします」と言ってきたとき。機嫌がよいときは、「あぁ、いいですよ。」と軽く流せるのに、イライラしているときは「ったく、急いでいるのになぁ。」とつい、相手を責めてしまった。例え機嫌がよかったとしても、約束の時間に遅れそうであせっているときや、体調が悪い場合も、ネガティブな言い方になることが多いはず。

 なぜこのような気分や状況にムラが生じるのかというと、実は「期限」「時間的余裕」「体調」などはすべて、自律神経を乱す要因だからです。つまり、様々な要因によって自律神経が乱れると、人はいろいろな言い方をしてしまうのです。…

やっかいなことに、自律神経の乱れは伝染します。自律神経が乱れ、イライラし、よくない言い方が出たとします。するとそれを聞いた相手の自律神経も乱れ、相手もイライラし、よくない言い方で返してきます。すると、またさらに自分の自律神経が乱れて…という悪循環におちいります。

 逆にいえば、自分さえ乱されなければ、相手の自律神経も整えることもできる、ということです。相手がイライラする言い方でも、自分の自律神経を整えることができれば、相手によい言い方で返すことができ、相手の自律神経も整えることができる…僕もできるだけ意識していることです。

 子どもと接するときも同じで、大人の自律神経が整っていると、いい伝え方もでき、子どもたちもいいふうに改善していく・・・ということも起きやすくなります。子どもが見ている身近な大人ということで、僕もできるだけ自律神経の整っている大人でいて、その姿を子どもたちに見せたいと思っています。

 さて、自律神経を整えるための方法は、本の中でも様々に紹介されていますが、すぐにできそうなものが掲載されていたので、アンガーマネジメントと、セカンドステップという攻撃性減退プログラムの方法・方略も含めて、いくつかご紹介します。

●ゆっくりはなす

…ゆっくり話すだけで、落ち着きます。言葉に重みが出て、相手に納得してもらえます。

●6秒数える

…感情が落ち着くまで、まず黙ってこらえてみる、ということです。「すっ」としてきます。

●自分の感情を自覚する

…「今怒っています」「今緊張しています」というだけで、半分くらいは落ち着きます。子どもたちは怒っているとき、自分の状態が見えていないことが多いです。落ち着いているときに、怒っているときに体のどこが熱くなるか話してみてもいいです。

●キーワードを決める

…「イライラ虫が出ている」「ブラック〇〇ちゃんが出てきているよ」などのキーワードで自覚できるときもあります。

●キーアイテム・セーフポイントを作る

…イライラしている時に落ち着くぬいぐるみ。また、「このぬいぐるみを持っているorこの場所にいるときはイライラをこらえているから話しかけないで」という合図を作るということです。

●場所を変える

…イライラしたときには、その原因となる場所から離れることです。

●深呼吸をする(1:2呼吸法)

…深呼吸をすると、交感神経優位の状態から改善されやすくなります。1:2は、例えば呼吸は3秒吸って6秒で吐く、といったことです。

●体のリズムを知る

…朝方や夜型、食前食後、天候など、自分の体に合った集中できるタイミングで物事に取り組むことです。感情がよいタイミングも、これで見つかるときもあります。宿題をやる時間を変えてもいいですね。

 

 今回の話の中では少しずれますが、本の中では「意表をつく」「まず褒める」など、素晴らしい方法も紹介されています。よろしければ一度手に取ってみてください(川本のを貸し出しも可能です)。

 

 いずれも、子どもたちといろいろと試してもらえたら嬉しいです。一番いい方法はなく、その人その人、その子その子によって合うものが異なります。結構頑張って取り組んでいる大人の姿が子どもは好きで、僕も頑張っていると子どもも「頑張ろう」って思ってくれることが、クラスでは多いです。

 以上ですが、前回と同様で、自分の感情を自分でコントロールできるようになることを目指したいです。これも根性ではなく具体的で自分に合った上記の「方略」がカギとなります。

 

…すみません、結局「まとめ」までいきませんでした…。また次回、書いてみたいと思います。

「非認知的能力」を子どもたちに 学級通信 その③

「非認知的能力」はどうやってつける?「自制心」

 

 幼児教育の分野で非認知的能力を身に付けることが注目されているのは、幼児期に最も身に付けやすいといわれているからです。しかし、小学生や中学生、それから大人であっても身に付ける可能性は大いに残されているので、もちろん小学校でも十分に可能です。

 前回は「自制心」についてお伝えしたので、この自制心を身に付けるための方略(スキル、方法)について書いてみます。細かく言うと行動面と感情面があると思いますが、今回は行動面を取り上げてみます。

 例えば、「忘れ物」についてです。

 

 忘れることは、大人だって普通にあります。改善したいですが、それを記憶力だけを頼りにしては、なかなか難しいですよね。注意力を身に付けるために「怒る」という手段もある程度有効ですが、怒る人がいなくなったときに機能しなくなります(でも切実さや本気さを伝える時には必要だと思います!ついついやりすぎてしまうものですが…)。

 一番大事なのは「忘れなかった成功体験をもっている」です。「忘れ物をすることに慣れた自分」になってしまうと、なかなか大きなきっかけがないと戻すことが難しくなります。ですから、小さいときは大人に手伝ってもらうことで、「忘れ物をしない自分」を作ってしまうのが有効です(いつも持ち物のご協力ありがとうございます!)。

 それを踏まえて、次の段階として自分で管理するステップに移行します。その時にできそうな方略をいくつか示してみます。

 

  • 「メモを残す」

 紙に書いたり、フセンに書いて書き記すことです。メモは簡潔で、一目でわかるのがおすすめです。

  • 「目につく場所にメモを置く」

 メモを残しても、見る場所に置かないと意味がありません。「そこに置いて見るかな?」と聞いてみてもいいと思います。学校では、子どもたちの帰宅後の行動パターンを聞いて、一緒に貼る場所を考えていきたいと考えています。

  • 「呼び出し機能を使う」

 すでに私立やアメリカの学校では、Googleカレンダーなどの通知(呼び出し機能)を利用して、子どもたちが自己管理しているようです。物に記憶させるというワザです。大人でも、スマホで予定の呼び出しを使う方がいます。それを、子どもでも覚えさせてしまおう、ということです。

  • 「視覚的に残す」

 メモだけでなく、一目でわかるように写真で残します。

  • 「後回しにせずすぐにやる」

 これは自分の行動パターンを分析してやる対応策ですね。

  • 「人に記憶してもらう」

 自分一人では記憶する自信がないから、「覚えてたら言って」と伝えることです。

 変化があると忘れやすいので、毎日この時間にこれをやると決めておくと忘れにくい、ということです。場所も統一しておくとよいです。子どもたちには、これは結構大事なことのようです。

 大人のみなさんはどうやっていますか?その方法をそのまま子どもにもできないか提案してみてください。そのほうが、良さが伝わるかもしれません。

 いくつか例を示しましたが、どの方法も全て強制されていただけでは自制心は身に付きにくいです(最初のきっかけとしては価値があります)。大事なのは、自分で自分の行動の癖を理解し、自分でそのために対策を講じるということです。これが自制心に繋がっていきます。してもらう対策より、自分でする対策、です。そしてそのために、いろんな対策のアイデアを提示したり一緒に考えたりし、やってみて、失敗し、それは自分に合わないと自覚し、もっと合う形に変えたり、もっと合うアイデアを考えたり…そういうプロセスを経て、自分で自分をコントロールするようになる、ということです。「コーチング」で検索してみてください。

 最初は大人が方略を示したとしても、行く行くは子どもが自分で「これが自分に合う」というのを見つけ、それを自分で実践するようになることを目指していきたいです。何度も失敗しますし、「その方法だと失敗するな」と思うことがあるかもしれませんが、あえて体験もいいのかなと思います。急がば回れ」といいますが、失敗と改善のプロセスが結構大事で、そのほうが子どもの頭にすとんと落ちることが多々あります。

 理想は以上ですが、現実は難しいです。それでも、以上のようなことをできるだけ意識して、子どもたちとの関わり方を工夫するよう心がけています。「うまくいったね!なにがよかったんだと思う?」

「今回はうまくいかなかったかぁ。なんでかな?」「次はどんな方法でやってみようか?」と一緒に考えて、子どもたちのアイデアや選択を大事にし、段々と判断を委ねていくことを目指しています。

 何か少し、文章が偉そうになってきましたが、いろんな本の情報をまとめ、僕の解釈も入れて書いてみました。お付き合いありがとうございました。

 次回は、自制心の「感情面」とともに、ちょっとしたまとめを書いてみます。

「非認知的能力」を子どもたちに 学級通信 その②

「非認知的能力」はどうやってつける?犬からもらうヒント

 

 前回お伝えした、「非認知的能力」をどうやってつけるのか、ということについて書いてみたいと思います。

 一番大事ですべての根本にあるのは「無条件の愛情(つまり、愛情に条件や取引がない、存在しているだけで愛している、ということ)」だそうです。これが足りないと、常に不安定で、その先に何か力を付けようとしても付いていきにくいようです。

 それを大前提として踏まえ、次にできることを考えてみます。

 自制心(自分の感情や行動をコントロールする力)やGRIT(やりとげる力)など、多岐にわたる非認知的能力は、一見「その子が本来持っているもの」「後から身に付けるなんて難しい」と思われがちです。しかし、これには後天的に身に付けることができる方略(スキル・方法)がカギであり、それで伸ばすことができます。ここでは、「自制心」を取り上げてみます。

 例えば、餌を目の前にした犬が「待て!」と言われたときのことです。以前テレビで、「待て!」の力を競う番組があったのですが、ある犬は「プイッ」と別の方を向いてなんとかこらえていました。結局、この犬が優勝しました。

 確かに、本来もっている「根性」のような特性が関係あるかもしれません。しかしそれ以上に「そっぽ向いて餌を見ないようにする」という方略を取ったことが、自制につながったといえると思います。犬でさえ、自分の感情や行動をコントロールするための方略を持っているのです!

 さて、話を人間に戻します(笑)

 ついついやってしまって、やめられないことってありますよね。いい結果にならないとわかっているのにやってしまう…忘れ物、ゲームのやりすぎ、暴飲暴食、夏休みの宿題を前日までためてしまう、アニメや漫画やアメリカのドラマで徹夜をしてしまう、ダイエットは明日から…大人もありますよね。これをコントロールするための方略を身に付けることが大事になってきます。これは人によって合う方法が様々です。ですから、様々な方法を提示して、合うのを見つけるのがよいと思います。保護者の皆様も、きっといろんな方法を取っていますよね。個人的には、ここで大事な方略って、大人も子どももあまり変わらないなぁと思っています。

 書面の都合上、続きはまた次回書いてみたいと思います。お付き合いありがとうございます。