もっさんのブログ

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「非認知的能力」を子どもたちに 学級通信 その③

「非認知的能力」はどうやってつける?「自制心」

 

 幼児教育の分野で非認知的能力を身に付けることが注目されているのは、幼児期に最も身に付けやすいといわれているからです。しかし、小学生や中学生、それから大人であっても身に付ける可能性は大いに残されているので、もちろん小学校でも十分に可能です。

 前回は「自制心」についてお伝えしたので、この自制心を身に付けるための方略(スキル、方法)について書いてみます。細かく言うと行動面と感情面があると思いますが、今回は行動面を取り上げてみます。

 例えば、「忘れ物」についてです。

 

 忘れることは、大人だって普通にあります。改善したいですが、それを記憶力だけを頼りにしては、なかなか難しいですよね。注意力を身に付けるために「怒る」という手段もある程度有効ですが、怒る人がいなくなったときに機能しなくなります(でも切実さや本気さを伝える時には必要だと思います!ついついやりすぎてしまうものですが…)。

 一番大事なのは「忘れなかった成功体験をもっている」です。「忘れ物をすることに慣れた自分」になってしまうと、なかなか大きなきっかけがないと戻すことが難しくなります。ですから、小さいときは大人に手伝ってもらうことで、「忘れ物をしない自分」を作ってしまうのが有効です(いつも持ち物のご協力ありがとうございます!)。

 それを踏まえて、次の段階として自分で管理するステップに移行します。その時にできそうな方略をいくつか示してみます。

 

  • 「メモを残す」

 紙に書いたり、フセンに書いて書き記すことです。メモは簡潔で、一目でわかるのがおすすめです。

  • 「目につく場所にメモを置く」

 メモを残しても、見る場所に置かないと意味がありません。「そこに置いて見るかな?」と聞いてみてもいいと思います。学校では、子どもたちの帰宅後の行動パターンを聞いて、一緒に貼る場所を考えていきたいと考えています。

  • 「呼び出し機能を使う」

 すでに私立やアメリカの学校では、Googleカレンダーなどの通知(呼び出し機能)を利用して、子どもたちが自己管理しているようです。物に記憶させるというワザです。大人でも、スマホで予定の呼び出しを使う方がいます。それを、子どもでも覚えさせてしまおう、ということです。

  • 「視覚的に残す」

 メモだけでなく、一目でわかるように写真で残します。

  • 「後回しにせずすぐにやる」

 これは自分の行動パターンを分析してやる対応策ですね。

  • 「人に記憶してもらう」

 自分一人では記憶する自信がないから、「覚えてたら言って」と伝えることです。

 変化があると忘れやすいので、毎日この時間にこれをやると決めておくと忘れにくい、ということです。場所も統一しておくとよいです。子どもたちには、これは結構大事なことのようです。

 大人のみなさんはどうやっていますか?その方法をそのまま子どもにもできないか提案してみてください。そのほうが、良さが伝わるかもしれません。

 いくつか例を示しましたが、どの方法も全て強制されていただけでは自制心は身に付きにくいです(最初のきっかけとしては価値があります)。大事なのは、自分で自分の行動の癖を理解し、自分でそのために対策を講じるということです。これが自制心に繋がっていきます。してもらう対策より、自分でする対策、です。そしてそのために、いろんな対策のアイデアを提示したり一緒に考えたりし、やってみて、失敗し、それは自分に合わないと自覚し、もっと合う形に変えたり、もっと合うアイデアを考えたり…そういうプロセスを経て、自分で自分をコントロールするようになる、ということです。「コーチング」で検索してみてください。

 最初は大人が方略を示したとしても、行く行くは子どもが自分で「これが自分に合う」というのを見つけ、それを自分で実践するようになることを目指していきたいです。何度も失敗しますし、「その方法だと失敗するな」と思うことがあるかもしれませんが、あえて体験もいいのかなと思います。急がば回れ」といいますが、失敗と改善のプロセスが結構大事で、そのほうが子どもの頭にすとんと落ちることが多々あります。

 理想は以上ですが、現実は難しいです。それでも、以上のようなことをできるだけ意識して、子どもたちとの関わり方を工夫するよう心がけています。「うまくいったね!なにがよかったんだと思う?」

「今回はうまくいかなかったかぁ。なんでかな?」「次はどんな方法でやってみようか?」と一緒に考えて、子どもたちのアイデアや選択を大事にし、段々と判断を委ねていくことを目指しています。

 何か少し、文章が偉そうになってきましたが、いろんな本の情報をまとめ、僕の解釈も入れて書いてみました。お付き合いありがとうございました。

 次回は、自制心の「感情面」とともに、ちょっとしたまとめを書いてみます。