もっさんのブログ

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2021.7.10.頃出版『社会科ワークショップ』出版おめでとう!&暑苦しい書籍紹介デス

 

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この度、「作家の時間」「読書家の時間」などの、

 カンファランスがベースになるワークショップの実践を世に生み出してきた「プロジェクト・ワークショップ」シリーズから、

「社会科ワークショップ」が出版されることになりました。

おめでとうござます!!!!!!!!!

 

 僕もこのプロジェクトに参加していたものの、自分の都合で続けるのが難しくなり、抜けました。それでも、このプロジェクトの実践は僕を大きく成長させてくれたし、ここで出会った仲間とあれこれやったことは、自信につながりました。

 実践をリードし、本という形にしてくれたトミー(冨田明広さん)と、まーしー(西田雅史さん)には、尊敬と感謝の気持ちでいっぱいです。と同時に、自分の子のように大事に思っているこの「社会科ワークショップ」の良さを、途中段階の原稿を読ませてもらった僕が紹介し、ここで売り込みたいと思います。

 

 

他のワークショップとの違い~個の成長への焦点化~

  僕の中で(偏見的ですが)ワークショップのような学びは、協働的な色合いがとても強いイメージがあります。ぶっちゃけ一人手を抜いていたり、できていない状態でも集団の力でなんとかなります。先生はこの点をよく分かり、意識的に見て関わらない限り、こういう子が埋没していき、「結局一人になったら何もできないままだった」ということもあります。

 一方プロジェクトワークショップシリーズでは、協働的な学び方だけでなく、個の学びと成長もとても大事にしていて、個の成長のために協働的な学びを使っているイメージがあります。カンファランスという、今その子に必要な学びを、教師対子どもが1対1(複数もある)で行うアプローチが、特徴的なように思います。一人ひとりの成長を考えたリアルタイムな学びへの関わりができます。

 読書家の時間も作家の時間も、社会科ワークショップも、これが他のワークショップとの大きな違いだと思います。

 

 失敗・悩み・迷いがつぶさに書かれている

  世の実践書の多くは、サクセスストーリーがてんこ盛りです。しかし時に読者に幻想を抱かせて、そのまま真似してみたら大失敗したり、変わったことをやっているということで同僚や上司に煙たがられたりすることが多々あります。そして、やり方が光りすぎて、本質を見失ってしまうこともあります。

 本当は、うまくいくまで、実践者は多くの失敗・悩み・迷いを経験し、そこで様々な情報を得ながら改善して、ちょうどよい実践を見つけていきます。このプロセスが載っていると、読者も「こうやって改善していけばいいのか」が分かっていきます。読者も学び手として自立できます。

 この本の素晴らしい点は、とにかくこのプロセスがてんこ盛りなところです。本当に秀逸です。教育書においては、他の追随を許しません!(とまで言ってみる!)

 悩みぬいた末に生まれる新しいアプローチ。子どもとのやり取りの中でつくられていくアイデア。読者も、悩んだときにどうやって考えていけばいいかが見えてきます。・・・そのプロセスを読者もなぞることができるので、いつの間にか自分も同じ気持ちで悩んでいますよ(笑)

 また、著者自身がこのような授業スタイルになっていった変遷も載っています。教材研究に終始していたけど、その違和感に気付いて変わっていったこと。イベントになってしまっていた探究学習を変えていったこと。テストの扱い。とても参考になりますし、納得します。

 

 とにかく「踏み込んだ」書籍になっています!

 

一方で、「やり方」の本ではないことにも留意

  よい本というものの定義は人それぞれですし、それぞれでいいと思います。

 この社会科ワークショップは、「踏み込んだ」本であることは間違いないですが、「こうやればいい」という本でも、全くありません。でもそれでいいんです!

 そもそも、プロジェクトワークショップシリーズは、先生一人ひとりの関心と強みを最大限生かし、子どもにあった学び方を提供するアプローチで、こちら側にいわゆる「型」のようなものは一部しかないように思います。やり方は、目的に応じて変わっていくもの。よく言えば、「本来学ぶことや教えることは、そういうもので、そういうものだからこそ授業は楽しく実りあるものに変化していく」、悪く言えば、「分かりにくい」です。

 実は僕は、読書家の本や作家の本を読んでも、すぐに実践できなかった者です。全体像がつかめなかったからです。ここら辺が難しいところで、実際には先輩たる実践者の講座に参加したり、実践者とおしゃべりしたりしたことでようやく見えてきて、チャレンジできたという過程がありました。ですから、もし作家の時間や読書家の時間やプロジェクト型の学習に初めてチャレンジする人は、仲間を作るなり、実践者とコンタクトをとれるような形をお勧めします。

 ただ、僕は、こういう本がいい本だと思っています。いわゆるテクニック本は、2・3年でほぼ卒業しました。大事なのは、やり方ではなく考え方です。考え方をベースにできると、自分にも子どもにもあった方法を選んだり、生み出したりできるようになってきます。軸ができて、実践に優先順位が付けられるようになっていきます。そして仕事も減ります(!)

 

 

 作家の時間も読書家の時間もスキルアップが期待できる

 失敗・悩み・迷いのプロセスはもちろん、どうやってユニットやカンファランス、そもそも学びとは、を考えているかがとにかくつぶさに書いてあるので、他のカンファランスベースの授業においてのスキルアップが期待できます。僕も実際、この本を読んで変わったことがたくさんありました。カンファランスの何たるかが以前よりも見えるようになってきました。

 

 結局「社会科」ってなんでやるのさ

  突き詰めて考えていくと、全ての学びは幸せに生きていくためにあるように思います。

 歴史であれば、歴史を学び、自分が素敵と思える歴史上の人物の生き方を見つけ、自分の生き方を変えていったり。地域と気候であれば、自分が住みたいと思える土地で、より幸せに生きていける住み方を見つけていったり。水やゴミの問題であれば、「取り組んで授業が終わったらはい、終了」ではなく、本当に自分たちが必要と思って、続けられる改善方法を見つけていったり。

 そんな、幸せの形を突き詰めつつ、社会科だけど人として大事なことをたくさん学べる場を作っているのが、「社会科ワークショップ」のように思います。

 

 

以上、長いですが紹介してみました。

僕は著者ではないですが、みなさんぜひ買ってください。

そして、よかったら一緒におしゃべりしましょう。

一緒に学ばせてください。

 

トミー、まーしー、本当にありがとう。